■1997年3月9日 自転車台湾縦断旅行 8日目
・屛東県枋寮郷 ~花蓮県花蓮市
・走行距離: 0.5キロ
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台湾旅行8日目。
今日は、この旅行で初めての鉄道での移動。
自転車を片付けて、
11:08分に枋寮駅を出発する急行列車「呂光号」に乗りこみ、
台湾東部を縦断して、
東海岸の観光都市、花蓮を目指します。
これが車窓からの景色。
右に見えるのは太平洋です。
日本と違って台湾は東シナ海に面した西の方が発展していて、
逆にこちらの東側に来ると、
古き良き台湾的なのどかな光景がひたすら広がます。
山側を見るとこんな感じ。
水田はほとんどなくて、日本の農村とはかなり違う雰囲気です。
そんなこんなで景色を楽しみながら5時間が経過。
列車は16:31分に、
ようやく目的地の花蓮市に到着しました。
噂には聞いてましたが、この町は大理石の世界的な産地らしく、
官公庁はもちろん、ホテルからレストラン、
ドミトリーに至るまで、
随所に大理石が使われています。
せっかくなので、大理石の門構えと内装がきれいな、
いつもよりちょっとグレードの高いホテルに宿泊することにしました。
キレイな部屋で一息ついた後、
もう一つの町の名物と言われる、夜市へ。
中心部の広場で行われる夜市は、
なかなかにバラエティ豊富で、
揚げ物やお粥やお好み焼き、そして臭豆腐など、
台湾の庶民の味が集結しています。
この日の晩御飯は、牡蠣入りお好み焼きをチョイス。
小ぶりな牡蠣と、チヂミのような味わいがマッチして、
なかなかの美味しさでした。
もちろんそれだけでは足りないので、他のものも食べたと思うのですが、
残念ながら記憶がありません。
逆に今でも忘れないのが、その後に食べたデザート。
市場の中には果物屋さんもあり、
ライチやグアバ、ドラゴンフルーツなど
当時の日本ではなかなか食べられない
熱帯の果物が山積みになっていました。
しかも激安!
そんな中から選んだのが、
昔から気になっていた、スターフルーツ。
断面が星の形をした、熱帯にしかない果物ですね。
とりわけきれいな一個を選び、
ハンカチで拭いてがぶりと噛みます。
このシルエット、美味いに違いない、
と思ったんですが、その味は…。
ない…。
全然ない…。
そうなんです。このスターフルーツ、
形はいかにも美味しそうなんですが、
味がほとんどないのが特徴で、
甘みもなければ酸味もなく、
葉っぱを食べているような感じ。
これでは食後のデザートが台無しです。
仕方ないのでその後、
近くの屋台でタピオカミルクティを飲んで、
ホテルに帰ることにしました。
ちなみにこちらは、
帰る道中で見つけた、台湾に多いとあるバイク。
レトロな外観に「偉士牌」というメーカー名が書かれています。
これって何かな、と正面に回り込んでみると…
イタリアの名車、ベスパでした!
日本だとオシャレバイクとして値段も高く、
あまり見られないベスパですが、
台湾では大衆車としてホンダやヤマハと同じように普及していて、
町の至る所で見かけました。
日本でこれに乗れたら素敵だろうなー、
と思いましたが、ネットも普及していない当時は、
手に入れる手段も調べようがなく、
結局そのままになってしまいました…。
今でも台湾には「偉士牌」はあるのでしょうか?
詳しい方、ぜひ教えて下さい!
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そういや、フルーツやスクーターなど
話が脇道にそれまくってしまい、
肝心なことを書くのを忘れておりました。
この花蓮にわざわざ鉄道でやってきたのには、
実はある目的があったんです。
それが、台湾横断!
ここ花蓮からは、
景勝地「太魯閣(たろこ)」を経由し、
中央山脈を越えて西海岸の台中に至る、
「東西横貫公路」という道が通っています。
せっかく台湾縦断をしたので、
この道を通って台湾横断もやってみよう!
というのがこの町にやってきた目的だったんです。
標高4000メートル級の山が連なる台湾中央部。
しかも「東西横貫公路」自体も、100キロ近い長丁場。
確実に、今までに一度も経験したことのない、
過酷な旅路になりそうです。
果たして、自転車で越えることができるのでしょうか。
相当に体力が必要な明日に備えて、
この日は無理をせず、早めにホテルへ。
大理石に囲まれたきれいな部屋で、
今日はゆっくりと休むことにします。
ではまた!
★覚えている方も多いと思いますが、
今年2月、この花蓮で震度7の大地震がありました。
せっかくの美しい町が相当な被害を受けたとのことです。
一刻も早く復興し、また往時の賑わいが戻ることを、
微力ながらお祈りいたします。
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